「遊々」創刊に寄せて

 生まれて1年もたたない赤ちゃんから、おじいちゃん・おばあちゃんまで、いろんな人といろんな所で、あそんできた。保育専門学校では、「あそび」なる授業の講師を、3年続けた。今でも週に1・2度は、一日幼児と暮らし「あそぶ」。保育や子育て雑誌にもあそびについて書く。 私の仕事は、あそびなのだ。

 世間では、「仕事と遊びのけじめをつけられない様では、まだヒヨッコだね。」などという。この伝でいくと私は、ヒヨコどころか、タマゴにもなれないか。

 園庭で幼児たちとオニごっこをする。ムチャクチャ盛り上がって一段落すると、ポロッと言って来る子がいる。「もう遊んでもいい?」。この子にとっては、今までのは、遊びじゃなかったのかなー。ウムム……。

 札幌の冬季オリンピックで金メダルをとった選手が、しみじみ語る。「私にとって、ジャンプは遊びだった。遊びだから、こんなに一生懸命やってこれたんです……。」と。

 あそびの奥は限りなく深い。そして、素直に思った。あそびってなんなのだろう。そんなこんなで、しばらく、このあそびについて、こだわって、ルーツなんてものがあるのなら、見つけっこしてみる気になった。そして、見つけっこの第一歩は、「雑誌づくり」であそぶことにした。

 だから、「遊々」は、できるだけ沢山の人達の、あそびについての、様々な思いや考えを紹介するホームページ雑誌を目指す。「遊びと文化の接点は……」とか「人間にとって遊びとは……」などから、「幼い頃の遊びの思いで」や、「私、こんな遊びに溺れています」さらには、「歌」「踊り」「物作り」「アウトドア」などなど、何でもありの遊びづくし。

 見て読んで楽しく、おまけで、遊び暮らして生きていけるヒントでも見つけられれば、大もうけ。 何が出るやら、お楽しみで、ちょっと見て読んでみてください。

2000年8月

          WAN2 犬飼

  1998年内に集まった原稿です。内容にタイムラグがありますが、どうぞお許しください。